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トップページ>受注に失敗しないための住宅コスト研究>モジュール別コスト比較(2階建)
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通常、同仕様の場合建物の規模が大きくなるにつれて、単価は低減していくとよく言われますが、はたしてどのくらい低減してゆくのか興味のあるところです。
同じ間取り、同じ外観、おなじ仕様の木造住宅を、910,950,1000のモジュール別にそれぞれコスト比較してみた。
|1|比較のポイントと問題点
比較するについての主なポイントは次のようなことです。
モデルB(2階建−910モジュール)を基準に考え、これを、950及び1000モジュールにそれぞれ変更したらどのようなコストの動き
があるかをシミュレーションしてみる。
そのためには、階数別や平面形状のところで行ったシミュレーションと同じように、単に、坪当たりの単価だけではなく、m3当たりの単価や、
柱一本当たりの単価、間仕切り長さ1m当たりの単価等を算出することにより、モジュールノによる違いが、これらの各単価にどのよ
うな形で現れてくるかを見ようと言うわけです。
同様に、単に単価そのものけではなく、実際に、モジュールの違いにより、どの工事項目がどんなコスト的変化を示すのか、これらが比較す
る上でのポイントとなります。
全体の工事金額合計に対する、各工事項目毎の割合を出してある。参考にしながら読むと、より深くご理解できると思う。
比較する上での問題点もある。比較基準を厳格に主張すると、モジュールのちがいが起因して発生する新たな考え方や、例えば、材料
のロスをどうするかとか、u単価の場合は問題はないが、坪単価の場合、通常910モジュールの場合1.820×1.820=3.3124uを1坪
として換算するが、1000モジュールの場合の1坪は2.000×2.000=4.0uだから、u数を4.0で除した坪数を基準に考えるべきだと
言う主張がある。ところが、この見方でいくと、間取りが全く同じであるから,どのタイプも坪数が同じことになり、シミュレーションの趣旨から
外れるような気がする。ここでは、どのタイプも1坪をあくまで3.3124uとしシミュレーションしてみることにする。
|2|分析データ&考察
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本体工事分析データ@(建物単価)
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項目 |
モデルB(M=910) |
モデルB(M=950) |
モデルB(M=1000) |
平均値
(参考) |
延床面積 |
187.14u (56.50坪) |
203.96u (61.57坪) |
226.00u (68.23坪) |
205.7u (62.10坪) |
延施工面積 |
205.36u (62.00坪) |
223.81u (67.57坪) |
248.00u (74.87坪) |
225.72u (68.14坪) |
延柱本数 延間仕切長さ |
115本 182,455mm |
115本 190,475mm |
115本 200,500mm |
115本 191,143mm |
本体工事合計金額 |
1617万円 |
1,704万円 |
差額(円) |
比率(%) |
1,820万円 |
差額(円) |
比率(%) |
1,714万円 |
坪当り単価 |
286,191 |
276,775 |
-9,416 |
96.71 |
266,775 |
-19,611 |
93.22 |
276,580 |
u当り単価 |
86,400 |
83,557 |
-2,843 |
96.71 |
80,538 |
-5,862 |
93.22 |
83,498 |
m3当り単価 |
32,806 |
31,728 |
-1,078 |
96.71 |
30,581 |
-2,225 |
93.22 |
31,705 |
柱1本当り単価 |
140,599 |
148,194 |
7,595 |
105.40 |
158,275 |
17676 |
112.57 |
149,023 |
間仕切m当単価 |
88,618 |
89,473 |
855 |
100.96 |
90,781 |
2,163 |
102.44 |
89,624
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関連図面|2階建プラン|
(表の見方)
分析データ@の表中の比率はモデルB(M=910)を100とした場合の比率です。
基本的な考え方として、モデルB(910モジュール)をそれぞれ950及び1000のモジュールに変更しただけのことであるから、積算上の数量は、これらのモジュール長さに比例した面積で算出されると考えてよい。
比例して計上されない項目は、一式計上分、柱、梁等構造材の殆ど、金属製建具や木製建具のヶ所数及び本数、束石の数量、軒裏換気孔、換気用レジスターやウェザーカバー等である。
ただし、金属製建具(アルミサッシ)と木製建具は面積に比例してはいないが、モジュール毎にそれぞれの単価が違うのでコストの変動はある。
上の表はは910、950、1000のそれぞれのモジュール毎のデータである。
坪当たり単価とu当たり単価及びm3当たり単価を見てみると、910モジュールを100とした時のコスト比は、950モジュールで約3.3%1000モジュールで約7.8%のダウンである。これはあくまでコスト比であって、実際の施工費は950モジュールで約87万円、1000モジュールで約155万円のコストアップとなる。
ちなみに、比較の問題点のところで述べた、950モジュールの場合の1900×1900を1坪、1000モジュールの場合の2000×2000を1坪とした考え、つまり同じ坪数(56.5坪)でそれぞれの合計金額を除してみると、当然単価的には高くなるが、950タイプは301,635円/坪、1000タイプは322,152円/坪となり、率にして、それぞれ5.3%、12.5%のコストアップになる。
柱1本当たりの単価は、どのタイプも柱の本数は同じであるから、上記と同じ率で、コストアップとなる。(表参照)間仕切りの1m当たりの単価は、950モジュールタイプで約1%、1000モジュールタイプで約2.5%のコストアップになっている。
これは、通常の面積や体積単価とは違う数値を示しており、面白いデータである。
今回のデータは本体工事のみのデータであるが、これに設備工事費を加算すると、モジュール長さが長い建物ほど単価的には安くなる。
これは、どんなに面積が増加しても、例えば、浴槽は1ヶ所で良いわけで、浴槽の価格を上げない限り、いわゆる面積に比例しないためである。
モジュールを違えることによる問題点の一つに、材料のロスがある。天井高を高くする時は縦方向のロスが出るが、モジュールが長くなると、横方向のロスが出る。特にボード類はかなりのロスが出ることも予測されるので、それらを含めたシミュレーションを行う必要がある。
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本体工事分析データA(工事項目別見積書)
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工事項目 |
モデルB(M=910) |
モデルB(M=950) |
モデルB(M=1000) |
平均 割(%) |
金 額(円) |
割(%) |
金 額(円) |
割比(%) |
差額(円) |
比(%) |
金 額(円) |
割(%) |
差額(円) |
比(%) |
仮設工事 |
811,962 |
5.0 |
860,728 |
5.1 |
48,766 |
106.0 |
923,755 |
5.1 |
63,027 |
107.3 |
5.1 |
基礎工事 |
868,473 |
5.4 |
911,497 |
5.3 |
43,024 |
105.0 |
964,840 |
5.3 |
96,367 |
111.16 |
5.3 |
木工事 |
6,756,996 |
41.8 |
7,038,066 |
41.3 |
181,070 |
104.2 |
7,659,445 |
42.1 |
902,440 |
113.4 |
41.7 |
屋根工事 |
448,746 |
2.8 |
483,178 |
2.8 |
34,432 |
107.7 |
528,016 |
2.9 |
79,270 |
117.7 |
2.8 |
外装工事 |
980,392 |
6.1 |
1,171,943 |
6.9 |
191,551 |
119.5 |
1,222,830 |
6.7 |
242,438 |
124.7 |
6.6 |
板金工事 |
254,647 |
1.6 |
271,702 |
1.6 |
17,055 |
106.7 |
281,906 |
1.5 |
27,259 |
110.7 |
1.6 |
左官工事 |
142,706 |
0.9 |
151,105 |
0.9 |
8,399 |
105.9 |
156,990 |
0.9 |
14,284 |
110.0 |
0.9 |
タイル工事 |
496,540 |
3.1 |
534,980 |
3.1 |
38,440 |
107.7 |
585,920 |
3.2 |
89,380 |
118.0 |
3.1 |
内装工事 |
1,518,579 |
9.4 |
1,622,069 |
9.5 |
103,490 |
106.8 |
1,752,613 |
9.6 |
234,034 |
115.48 |
9.5 |
金属製建具工事 |
2,569,248 |
15.9 |
2,616,648 |
15.4 |
47,400 |
101.8 |
2,672,328 |
14.7 |
103,080 |
104.0 |
15.3 |
木製建具工事 |
574,700 |
3.6 |
588,800 |
3.5 |
14,100 |
102.5 |
606,000 |
3.3 |
31,300 |
105.4 |
3.4 |
ガラス工事 |
191,346 |
1.2 |
200,362 |
1.2 |
9,016 |
104.7 |
211,656 |
1.2 |
20,310 |
110.6 |
1.2 |
塗装工事 |
210,885 |
1.3 |
226,711 |
1.3 |
15,826 |
107.5 |
247,314 |
1.4 |
36,429 |
117.3 |
1.3 |
雑工事 |
343,661 |
2.1 |
364,561 |
2.1 |
20,900 |
106.1 |
388,007 |
2.1 |
44,346 |
112.9 |
2.1 |
本体工事合計金額 |
16,168,881 |
100.0 |
17,042,350 |
100.0 |
873,469 |
105.4 |
18,201,620 |
100.0 |
2,032,739 |
112.6 |
100.0
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関連図面|2階建プラン|
(表の見方)
割(%)は本体工事合計金額に対する各工事項目ごとの割合を示します。
この比率は例えばあらかじめ総工費が決まっている場合に、各工事毎の金額をはじき出すのに便利です。
比(%)はモデルB(2階建)を100とした時の対比です。
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